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解答者数は前回より1名少ない、26名。3問もあると手が出しにくいものかもしれません。解答をくださった方々、そして少しでも考えてくださった方々に、まずは厚く御礼申し上げます。

さて、解答者の方々はこちら。お名前の右の数字は正解数です。

青山良秀B 荒木貞雄@ 板垣徳晃B 伊藤堅吾B
上田安夫B 岡本敏男B 尾高大介@ 糟谷祐介B
門倉義孝B 神無七郎B 川本 聖B S.KimuraB
桂花B 古口 基B 猿渡茂樹B 高橋利夫B
高橋裕之B 武内洋介B 西尾行広B 西村恒雄B
原科佐登己B ひろB 本田博巳A 湊 茂彰B
山村 政B 由良祇毘B    

この正解数に応じて当選率アップ(3問正解のヒトは1問正解のヒトより当選率が3倍高い、という仕組みです)。賞品は、「高橋和女流サイン入り詰パラ5月号」「新7手詰めパラダイス」「中田章道プロ作品集駒の詩」の3点です。

気になる当選者は……と、最後のお楽しみにとっておきましょう!



第1問:柴田昭彦 (11手詰)

13銀成、同玉、35角、【A】同と、12角成、同玉、53銀不成、23玉、22飛成、34玉、44銀左成まで11手。

【A】23玉は24銀成、同と、33銀成、同玉、32飛成まで。24歩合は22銀不成、同玉、33銀成、同玉、32飛成まで9手。24銀合は同銀成、同玉、12角成、同玉、33銀成以下駒余り。24金合は同銀成、同と、53飛成以下。24飛合は同角、同と、11飛、23玉、12角成まで。

★入り組んだ形をほぐそうと、最初の3手はとりあえず指してみるところ。ですが、対する応手が上記のようにかなり厄介になっています。取る一手と分かってしまえば、あとは簡単。最後に53銀不成というソッポ開き王手が入って解後感良し、というのは作者計算通りなんでしょうね(^-^)

本田博巳「斜めの角・銀ばかり。4二の銀を5三に開き王手するところが面白いと感じます」

川本 聖「始めの3手の角銀の捨て方が面白いなあ、と思いました。手順前後がきかないですね」

糟谷祐介「意外と紛れが多くて時間がかかりました。3手目が好手で、それ以降もうまくまとまっていると思います」

西村恒雄「捨てていくと非効率だった駒が生き返ってくる。53銀生が光っている。解後感はこれが一番いい」

神無七郎「銀不成のそっぽに角の消去の伏線が加わった好作」

高橋裕之「35角が意表の一手。4手目23玉の変化も好感触」

山村 政「どうも4手目の変化がよくわかりません。24歩とか23玉に早詰、同手数駒余りはある?」

★上記のように割り切れています。

S.Kimura「邪魔駒消去問題だが、まさか、4四角が消えるとは思わなかった。3五角に対して2三玉とする変化も、2枚の銀を連続して捨てるなど、とても良い」

★この44角消去は、35の穴埋めと44を空ける、という2つの狙いが含まれています。

高橋利夫「初手が多く迷った。3手目が上手く作ってあると思います」

桂花「効率の悪い攻駒がよく捌ける」

上田安夫「大駒の威力で、すばやく詰む」

岡本敏男「3手目3五角が案外気がつかない妙手」

古口 基「コードがひっかかって、ごちゃごちゃないなったようなもどかしさ」

★言い得て妙。

門倉義孝「3五角が好手」

由良祇毘「12角成から考えるとドツボ。35角はとっとと出すべきでしたか」



第2問:水上 仁 (13手詰)

11角、13玉、15飛、【A】24玉、35飛成、同香、33角打、23玉、【B】22角引成、34玉、44角成、24玉、33馬引まで13手。

【A】12飛は24玉、13角、15玉、35飛成、16玉以下逃れ。

【B】22角行成も可で非限定。

★2×2の密集形である初形は、いわゆる「角砂糖図式」と呼ばれるもの。いまだ類例の少ない図式の一つです(そもそも、この図式が提案されたのがごく最近なのですが)。3手目15飛、7手目33角。これらの限定打の合間に飛車の成り捨てを挟めたのが幸運。9手目の非限定は不運といったところでしょうか。

本田博巳「1五飛が打ち難かった。簡素な初形で「飛角」の動きが面白い問題!」

川本 聖「1五飛限定打から、3五飛成が華麗ですね。形がこんなにまとまってるの作ってみたいです」

糟谷祐介「初手32飛成を期待しましたが、やはり正統な(?)角打でした。角砂糖図式の一つとして本作は貴重だと思います」

★ヤな期待ですね(^^;

西村恒雄「コンパクトな形から手が進むにつれ、広がっていくさまはおもしろいですね。ただ、9手目非限定は痛い」

神無七郎「9手目はどっちの角を成ってもよい。厳密には余詰でしょう」

★この非限定はもちろん作者自認のもの。最後まで悩んでおられたようです(^^;

高橋裕之「15飛が絶好の限定打。9手目行っても引いても詰むような...」

山村 政「これは一応割り切れているようですが、どうもすっきりしません」

S.Kimura「1五飛と3三角打の限定打や、わざわざ香に取られる3五飛成が良い」

高橋利夫「初手の11角打ちは絶対手。3手目の15飛車打ちも限定打で5手目の35飛車引きの好手も良い」

桂花「キズだらけでも作品価値はあるという好例」

上田安夫「1五に飛車を据えては馬馬と詰んでしまった。角砂糖は、隅っこのは欠けやすいが、中の方は完全形を保っている」

★角(かど)で作るよりも、辺(へん)や中空で作った方が完全作を得やすいようです。

古口 基「チェスの香り(謎)」

★今度は謎。

門倉義孝「初形が正方形でおもしろい」

由良祇毘「途中非限定なのは残念。この形ではいたしかたなしですが」

西尾行広「形が取り柄」



第3問:須藤大輔 (25手詰)

33桂不成、【A】11玉、23桂打、同香、同桂不成、22玉、21桂成、同玉、31桂成、【B】同玉、42銀不成、21玉、23香、11玉、22香成、同玉、33銀成、11玉、22成銀、同玉、23香、11玉、33馬、同歩、22飛成まで25手。

【A】33同歩、13桂、11玉、23桂不成、同香、33馬まで。

【B】11玉、21成桂、同玉、23香以下作意に短絡。

★柴田、水上のお二方が比較的易しめの短編を出題すると知り、バランスを取るために?中編を一つ加えてみました。桂馬の活用で局面を明るくしていきますが、2手目の変化は案外盲点になりやすい順。10手目31同玉の局面で、42銀不成が狙いの一手です。銀香の駒繰りで、31玉→22玉と移動させれば簡単に詰むというわけ。

★元々は実戦型だったのですが(どこが?)、山村政氏のご助言で駒を減らし10手目の局面。そこから今回の出題用に逆算したという経過をたどっています。逆算の功罪は微妙で、【B】で作意が見えてしまうのが本当に痛いんです。

川本 聖「全部解くのは苦労しました。桂打から香車を手に入れ、その香車と、邪魔駒になった4二銀を順々に捌き捨てるのはすごいと思いました」

糟谷祐介「11手目の銀生が妙手だと思います。どうも途中図といい短大発表図に似ていると思うのですが如何でしょうか(^^)。でも手順は全く異なりますね」

★驚くほど無関係です(^^;

西村恒雄「32の鍵をこじ開けるための手順がおもしろい。飛車を最後に動かしてあげました」

神無七郎「初形から収束が見えるが、それを実現するための駒繰りが楽しい。解後感の良い作」

高橋裕之「22に引き出すまでの攻防が見物。リズム感あふれる好手順で解後感が抜群」

山村 政「見事な逆算です」

★そうおっしゃっていただけると嬉しいです。

伊藤堅吾「これは難しくてなかなか解けませんでした。なんとか解けてよかったです」

S.Kimura「手数が長いので難しいのではと心配したが、3一桂成、同玉まではすらすらと進む。しかし、ここで4二銀成としたために、しばらく悩む。ここを不成として3三銀成に気付いたときは嬉しかった。これで、ようやく、狙いの3三同歩が実現できた」

高橋利夫「最後の飛車成りのために、香車1枚、桂馬3枚、銀1枚を手順に捨てていく構想はただただ感心します。11手目からの銀捌きはお見事。香車との連係プレーも面白かった」

桂花「作意と変化で何回も馬を捨てられて、お得な気分」

上田安夫「攻めが切れそうで切れない。雪隠詰」

岡本敏男「2一桂成、3一桂成の連続技が素晴らしい。4二銀不成が分からず3日悩んだ」

★3日分の価値はあったでしょうか?

古口 基「ガラスの城」

門倉義孝「長手順で解き応えがありました」

由良祇毘「複合邪魔駒消去がすっきり。序盤の入り方はよくわからないのですが、こんなものでしょうか」

西尾行広「手数が長く暗算では難しい」

★盤駒使いましょう(笑)


当選者は以下の3名の方でした。おめでとうございました(^-^)

糟谷祐介さん(高橋和女流サイン入り詰パラ5月号)

武内洋介さん(新7手詰めパラダイス)

門倉義孝さん(中田章道プロ作品集駒の詩)

 

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