> サイト一覧 > 詰将棋を解く > Try everyday!5000回記念懸賞詰将棋 / 問題3
 

玉方/12銀、13龍、33歩、44銀、52金、53銀、54歩、71歩、81桂、93玉、95歩/攻方/11金、15歩、35桂、55歩、74金、83桂、85馬、91銀、92歩/持駒/桂/

【正解】
75馬、84角合、同馬、92玉、82銀成、同玉、73角、72玉、71桂成、同玉、
63桂、同金、72歩、同玉、83馬、71玉、82角成、62玉、63金、同玉(=途中図20手目)、
72馬寄、52玉、43金、51玉、61馬、41玉、52馬、31玉、53馬、同銀、
32銀、22玉、12金、同玉(=途中図34手目)、56馬、34桂合、同馬、同歩、23桂成、同龍、
同銀成、同玉、14銀、22玉、32飛、11玉、23桂、21玉、31飛成、12玉、
11龍まで51手。

+B-7e B*8d +Bx8d K-9b S-8b+ Kx8b B*7c K-7b N-7a+ Kx7a
N*6c Gx6c P*7b Kx7b +B-8c K-7a B-8b+ K-6b G-6c Kx6c
+B8b-7b K-5b G*4c K-5a +B-6a K-4a +B-5b K-3a +B-5c Sx5c
S*3b K-2b G-1b Kx1b +B-5f N*3d +Bx3d Px3d N-2c+ +Rx2c
Sx2c+ Kx2c S*1d K-2b R*3b K-1a N*2c K-2a R-3a+ K-1b
+R-1a mated in 51.

【解答成績】解答者数67名、誤解10名、無解32名=正解者数25名

★今回のメインディッシュがこの作品。初形「5k!」で、「5000!」を表しています。

★初手84馬は92玉で手がありません。そこで初手75馬と寄っておき、92玉なら84桂を狙います。そうはさせまいと84地点に合駒をし、それを取らせることで84桂を打たせないのが玉方の技。さて、合駒はどれが正解でしょうか?

★歩合は同金、92玉、93歩と打てます。よって頭の丸い桂か角の2択……と思いきや、桂は4枚とも使われており、あっさりと角合に限定されます。手順を進めて、次図は金を持駒に加えた20手目63同玉の局面です。

途中図(20手目、63同玉)
玉方/12銀、13龍、33歩、44銀、53銀、54歩、63玉、81桂、95歩/攻方/11金、15歩、35桂、55歩、82馬、83馬/持駒/金/

★ここからの馬の動きが難所です。81馬と桂を取るのも有力ですが、52玉、74馬、42玉、43金、31玉以下詰みません。さらに23手目74馬も見えますが、42玉、43金、31玉で、やはり手がありません。ここは43金と打つことで、53銀を取って攻めが繋がります。43金に対して51玉と、一度引くのが粘りの一手。ここで41玉と逃げてしまうと、63馬以下正解手順に短絡し、2手短い49手詰となります。この誤答が若干出てしまいました。残念……。

★30手目42歩合が難しい変化。同金と取り、22玉、12金、同玉、23銀、同龍、同桂成、同玉、14銀、34玉、56馬、35玉、44馬、36玉、46飛以下同手数駒余りとなっています。そして迎えるのが次図(34手目12玉)です。

途中図(34手目、12玉)
玉方/12玉、13龍、33歩、53銀、54歩、81桂、95歩/攻方/15歩、32銀、35桂、43金、55歩、83馬/持駒/銀/

★守りの龍が手強く、攻め駒が足りません。何かないかと盤上を探してみると、83馬が取り残されているのに気付きます。馬の利きを指でたどってみると……56馬が王手になっているのです! 34地点に合駒するしかありませんが、たとえば香合なら、同馬、同歩、23銀打、11玉、12香以下詰みます。頭に利かない角合でも、同じように進めて22角と打てば簡単です。よって桂合と判明します。合駒を奪うことで34地点を埋めることもでき、以下は容易な手順で終幕となりました。

★大きな非限定として、39手目23銀成からの清算も可。また、46手目に21玉、13桂以下の変同があります。いずれも正解です。

★創作時は大変苦労しました。特に途中図(20手目)からの馬の活用は、81馬以下も面白く、どちらを本線に据えるかでかなり時間を浪費。最終的には、馬の再活用の意外性に賭けて、何とか無難な着地の収束にたどりつくことができました。

塚ア彰仁「すっごく楽しく解けました!」

★ありがとうございます(^-^)

EOG「63桂に気付けばすんなり追えるが53馬の変化は厄介。34桂からの収束もなかなか。」

羅刹「角合や、馬の再利用、やりますね。」

大森常一「11手目6三桂をなかなか発見できず堂々巡り。ああそうだ、質駒作りは須藤様の十八番だったことを思い出した。これでやっと右辺へ進めました。30手目5三同銀で2二玉と逃げる変化にも苦しめられました。3二金捨てが巧い。」

★質駒作りが十八番……そんなイメージがあったとは(^^;

無名1「3四の桂合いはこれがいいかよくわかりません。盤に駒を並べてこれが一番長そうなので。」

松崎徳郎「正解の自信はないが詰んだので一応解答しておきます。」

shima「15手目あたり以降では常に戦力が足りないという状況の中、1枚の馬を83に置いたまま玉を右辺に進めてしまうのは意外でした。43金の一手が一番発見に時間がかかりました。最後32飛に対しては11でも21でも同手数でしょうか。」

★残念な変同ではあります。

あいうえお「いやはや、ややこしくて難しかった(正しく解けたかどうかわかりませんが)。50手超を解いたのは初めてです。こういう問題を暗算で解ける人は世の中にいるのでしょうか。」

内藤英一郎「20手くらい以降まったく自信なし 30手目同銀でなく2二王にいったときなど他の手数変化があやしいが・・考えたものがすべて40手台だったのでこれかな?と・・随分考えさせられました。ギブアップするよりとりあえず解答に出させていただきます。」

木こり「終盤変同がありますが、恐らくこれが作意かと。9二歩と5五歩は飾り駒(?)ながら、曲詰めでここまで仕上げたのには感服致します。手順も角の捨て合いから始まり、桂の打ち換え、終盤の▲5六馬からキレイに駒が捌ける感覚は素晴らしい。お見事です。」

kabo「再投稿です。後半の膨大な変化の量と、よもやの8三馬の活用にびっくりです。趣向形なので難問ではないのではないか、との期待を大いに裏切られました。。。(更に、4二合をすると、しない場合と比べ、同様の変化で1四銀のときに3四玉で逃れることに気づき、再度読み直し。深い問題でした。。。)」

★初形趣向は手順が強引になりがちなので、難しくなることもしばしばあります。

やまかん「序盤は確かにそれほど時間がかかりませんでしたが中盤43金がみえず配置が間違ってるかもしれないとしばらくそのままにしてましたが^^、配置間違いの知らせがないので再び挑戦して何とか解けました。いろいろ紛れがある中で43金〜56馬の発見に少し謎解き風の要素がある1局かなと思います。」

坂本栄治郎「二枚の馬が●を成し後見事に銀と桂を手に入れる為に消えていく姿が最高にカッコ良い。只途中に5一玉 6一馬 4一玉 5二馬の手数伸ばしが、少しイヤミに映る。」

★「●」の部分は文字化けでした。手数伸ばしは玉方必死の粘りということで、ご容赦ください(^^;

深夜の馬鹿力「こんなに超手数の詰将棋を解いたことがないので、まったく自信がありません。(3二飛に対して同手数の別変化があるから、一層自信がないです…)途中まででも正解なら嬉しいです。最初の難関が初手で、8四馬や8四金ばかり考えていました。7五馬を発見したときは喜び半分、気づかなかった悲しさ半分でした。5三馬に対して逃げる変化、中合する変化があり、そこが最大の難所でした。本手順の5六馬を発見したときに「気持ちいい」と思いました。この詰将棋は1か月近く考えました。その思考の堆積で、少し棋力が上がった気がします。(当たっている自信はないのですが、たとえ間違えていたとしても)良作でした。どうもありがとうございました。」

★「気持いい」……嬉しいご感想です(^-^)

山本孝志「収束がはっきりしないので不正解かも知れません。ちなみに私は解答を送る時に柿木さんとの答え合わせはしていません。仮に正解?と仮定して短評を書きます。まず持ち駒不足を解消する為に75馬からの手順は解りましたが、問題は21手目に桂馬を取るか取らないか。両方やりましたが、どちらも詰みそうにない。そんな時に目についたのが83馬。これを使えば合い駒を稼げそう。そこで桂合が飛び出して、同馬と取れば持ち駒に桂馬がはいり34歩の形になります。そして何とか最後まで行き着きました。39手目は23銀成でもいけそうですが、解りやすく桂成にしました。最後に変化のチェックをしているとき、29手目53馬は同銀と取るものと決め付けていましたが、23玉の変化にも手間取りました。後は正解を祈るばかりです。」

占魚亭「右辺に追ってすんなり詰むと思いきや、意外と手が続く。5六馬が気持ちのいい一手ですね。」

谷口翔太「51手の長手順にビックリ。合駒も2度入って、これは力作。」

伊原恒裕「正算式かな、よくまとめたもの。追い方に紛れあり。馬追いの逃げ方で、誤解者でるか。変化も多岐、昔は、きっちり、考えたが、老来根気なく、間違っているかも。第一感、馬をすて、角を遠打、13龍取りが狙いかな、と思いました。」

★おお、そんな手順が見えるとはお強い!

池田秀三「久しぶりに盤駒を取り出して並べました。自信はありませんが、ともかく最長手順となるようつとめました(24手目41玉は2手短く、30手目22玉は12金で早い、と思います)。曲詰はすばらしいのですが、手順は率直に申し上げてピンときません。」

★終盤が決まれば……。

ron「重要そうなところは▲5六馬に対する合駒あたりでしょうか。ここは前に利く駒を打つと以下▲同馬△同歩▲2三銀打…となって早詰みになるはずなので角か桂馬を打ちます。しかし角合の場合は、▲同馬△同歩▲2三桂成△同龍▲同銀成△同玉に▲4一角から早詰だったと思います。自信ないですが・・・。収束部分は他の手順もありますが、とりあえず51手で詰めば正解になるのではないかと考えました。なにしろ5000回記念ですからね。5手の問題が二問続いたあたりでこの展開を予想しましたが、「まさかな・・・」と思いました。それなのに本当にこれだけの長手数とは! 驚きました。」

奈波幸弘「なかなか詰まず、数週間置いて期限に迫られ必死に考えてやっと解けたような気がします。はじめは錯覚ですが、早く詰んでしまい、これに気づくと今度は詰まなくなり苦労しました。35手目残りの馬をさばいて「解けた」とおもったのでが、その後、2三で全部交換して43手目1四銀がなかなか気がつきませんでした。滑り込みセーフだとうれしいです。」

高田明浩「変化が多く、とても難しかったです。」

★正解の皆様も、挑戦された皆様も、ありがとうございました(^-^)

【総評】

★今回の解答募集では解答欄のほかに、感想欄も設けていました。そこに寄せられたお言葉の多いこと多いこと……。ありがとうございます(^-^)

★少しだけ紹介しますと、作品収集されている方は、「2750番から」「1150番から」などなど。ありがたいことです。もし手持ちのデータが失われても、なんとかなりそうです(^^;

★「ほとんど毎日見ている」「5年ほど毎日」というお言葉に感謝。「(7年間トップページの懸賞問題の解答を続けてきたが)Try everydayは今回、初めて気付きました」というコメントも。

★とにもかくにも一字一句余さず拝読し、にやにやしながら、すべて創作のエネルギーとして蓄積させていただきました(^-^)

【解答成績】

★それでは、解答者の皆さんの成績発表です。

……1題正解……
tomy■

……2題正解……
S.Kimura■さんちゃご■ひろぽん■ポチ■やぶいり■安部寛治■荒川貴道■五十嵐創■市橋宗士■今井一之■今井秀和■宇田川道■大島春美■岡田栄二■片山 知■亀井慎太郎■苅田隆介■木谷博行■國吉 進■小泉中将棋クラブ■小嶋拓治■笹谷秀行■佐藤光孝■しまぎろう■清水 有■友沢友春■中原寛太■中村隆之■野良猫■原科佐久斗■原科佐登己■平尾一土■藤井 颯■藤田卓志■松浦義成■松本 繁■吉川康夫■吉野松樹■吉村美由紀■
無名4■無名5■

……全問正解……
EOG■kabo■ron■shima■あいうえお■池田秀三■伊原恒裕■大森常一■木こり■桑原英明■坂本栄治郎■島谷武志■深夜の馬鹿力■占魚亭■高田明浩■谷口翔太■塚ア彰仁■内藤英一郎■奈波幸弘■松崎徳郎■やまかん■山本孝志■羅刹■
無名1■無名2■

★ご覧のように、無記名(メールアドレスも)解答が4通ありました。(「無名3」の方は後に連絡がありました。)残念ながら呈賞の対象とはなりませんので、悪しからずご了承くださいませ。

【当選者】

★賞品は、「詰パラ最新号」を5名様、「詰棋書」を5名様、合計10名様にご用意しました。当選率は、単純に正解数の分だけ当たりやすく設定しました(3問正解は2問正解よりも、3÷2=1.5倍当たりやすい、など)。

……「詰パラ最新号」……
小泉中将棋クラブ、木こり、内藤英一郎、小嶋拓治、大島春美

……「詰棋書」……
木谷博行、占魚亭、吉野松樹、ron、中原寛太

★当選者の方には、送付先のご住所などをお尋ねするメールをお送りします。折り返しのご返信をお待ちしております。

★これにて、今回の記念作品展の結果発表を終了とさせていただきます。次回は3年後(続いていれば、ですけれど)、毎日毎日楽しんでお待ちいただければ幸いです(^-^)

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