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第4問:入選3回 東京都 大崎壮太郎 (誤17無2)

A12角成、同玉、52飛生、イ42桂、同飛生、ロ13玉、22銀生、24玉、36桂、同歩、34銀成、同玉、35歩、24玉、44飛成まで15手

A22銀生、同玉、52飛生、42香、同飛成、13玉、12角成、24玉以下逃れ。

イ42香、同飛成、13玉、22銀生、24玉、33龍迄。ロ32桂合、同飛生以下。

★今回の作品展の中では最も難解な作品です。他の作品とは毛色の違う構想作であったことが原因の一つ。初手は12角成か22銀生のいずれかです。結論から言うと、後に33地点に利きを作るためにここでは角を捨てておく、のが正解。作意を追っていただければ分かるように、7手目22銀生は33にも利いています。では先に銀を捨てるとどうなるか、これは紛れ@を参照ください。42香合で飛車縦の働きを失わせるのが妙防となっています。初手の罠さえ乗り切れば、あとはシンプルな打歩詰打開物でした。

千葉 肇―お定まりの打診中合。成るとすぐ駄目とすぐ分かるので話は早い。

天津包子―飛を成ってしまうと32桂合とされる。表紙には難しすぎて不可でしょう。

★難しくもありますし、やや配置の広がりが気になります。

原岡 望―取った合駒を旨く消す。

今川健一―中合よりも中合の桂をいかに消化するかが、作者の腕の見せ所。巧く出来ましたね。

菊地 博―7手目飛成でなく22銀が好手。

金子恒男―42桂合の打診は二つある。打歩詰に持って行くのと54へ引かせない。

加賀孝志―成ると歩詰。テーマがあり楽しめる。

森田進二―初手銀から入り、香合でニッチモサッチモ!

宇治正子―4手目の桂合は見過ごしてしまいそうです。

佐藤昭次―桂の中合に、飛不成、うまい作りになってますね。

井ケイ―桂中合から同飛生!

糟谷祐介―最後も不成で決めましょう!

永遠旅人―飛生で少し迷った。

高橋耕之介―飛生対桂中合で見ごたえある。私はこれがトップと思いますが、「表紙」としては初形に難点ありましたか。

斎藤博久―変化にも桂の中合があり好作。

塚越良美―52飛生が42桂合、32桂合に備えた手。

神谷護流―初手22銀不成として悩んだ。紛れの攻防もなかなかでした。

★この紛れを読んでくれれば作品評価も高くなりそうです。

真保千秋―歩詰独特の攻防。

秋元節三―収束が見えてるので飛を42にどう動かすかを考えた。

三角 淳―原田清実さんを思わせる雰囲気の作。収束も無難にまとまっている。

★原田さんはどことなくエレガントな雰囲気があるような……ま、これは個人の感覚の違いですね。

武田静山―どれも素晴らしいがこの作品が最も気に入りました。

20歳プー―やられた。やられた。超やられた。たぶんこの盤上にある変化、紛れ全て読まされた。最後に読んだのがこの作意だったよ。たぶんグチ言ったら30分は話してられるね。……でもすごくいい作品だと思います。はい。

★今回の短評の中では最長、かつ笑えるネタです(笑)

明石顕治―巧妙な打診中合!

門倉義孝―不成が続く手順なので読み辛かった。

滝本幹夫―4作のうち、これが一番でしょう。

小林 徹―初手22銀生が詰まないとは、ビックリ。

加藤清隆―「不成-中合-不成」と技の火花が飛ぶ。収束も決まっている。ハイレベルな作品。

千葉 等―この作品は本当に素晴らしい。連続飛不成、そして桂中合、銀成り捨てと引き締まった手順は見事。

大髭康宏―虚々実々のかけひきが面白い。

原田清実―22銀生から考えたので倍楽しめた。ありがとう。

広瀬久展―不成3回の好作。

三好晃司―駒数が多く感じるのはなぜ?

白石連太郎―連続中合を含みに玉方の妙防がテーマだが、それだけでなく、初手に銀を捨てても同じような展開になる作意との対比が作品の幅を広げている。

★先に記したように、33への利き、という差異だけで初手の対比を表現できたのは素晴らしいですね。

古口 基―初手22銀生の変化ではまり、作意3手目の応接がすぐにはわからず。解後感はまずまずです。

いのてつ―2回の飛不成が印象的。飛を成るとどのタイミングでも32桂で逃れるしくみはなかなか。

mtmt―4二同飛不成のところ、同飛成で余詰?と思ったら、3二桂合で、きわどく逃れなんですね。

西村恒雄―42飛成とした時の応手が微妙。初形、角の働きが悪く直ぐ捨てる手順に目が行く。

金田拓海―飛の不成や桂の中合が面白い。

市原 誠―飛の不成(2回も)と中合がすこぶる難しかった。

城 初―飛不成と桂合いがポイントになっている。

佐藤孝信―4手目桂合には不成、香合には成りと、本文と変化で成り不成を使い分ける仕組みが巧妙。

★いろいろなところで対比表現が使われており、それが十重二十重に張り巡らされているからこその難しさ。それでも作品テーマはちゃんと伝わってくるので、「解いてよかった」と思える作品ではないでしょうか?

作者―最終手は人差し指ですーっと飛車を引いてください。パシッと打ってはいけませんし、裏返す必要もありません。軽く、軽くすーっと。

★もし自分がこの作品を解いたら……、最後は気合を込めて成り返ります(^^; こういう「一手の指し具合」も詰将棋の評価に微妙な影響を与えていると思っています


【総評】

千葉 肇―「やさしい高等学校」としてもよかった。手を出さないと後悔する。

★高校にしちゃったらホームページの意味が(^^;

加賀孝志―又開いて下さい。スッキリ図が多く、楽しめました。

★ホームページが続く限り、気まぐれに企画していく予定です。

安原嗣治―表紙向作品の好作で楽しめました。今後この企画は続くのでしょうか?

明石顕治―オール15手楽しみました。Cが先頭なら「15手以内」に惑わされたかも? 次回も期待しています。

小林 徹―4番で転ぶところでした。

★強豪小林氏は口でそう言っていても、案外転ばないもの。

広瀬久展―全問楽しめました!

鎌谷輝裕―高等学校が一題も解けないので解きました。十分楽しめました。

三好晃司―すべて15手詰なら15手以内と書かずにすべて15手と書けばいいのに…。

★担当子が悪人?で申し訳ないです(^^; 解説中でも書いたように、あくまで表紙作品と同じ条件で解いていただきたかったため、というのが理由です。

【解答成績】解答総数86通、全解62通

【当選者】門倉義孝、永田安親、湊 茂彰

【全題正解者】

明石顕治 秋元節三 飯山 修 石川 歩
市原 誠 伊藤隆之 いのてつ 今川健一
宇治正子 mtmt 遠藤 譲 大髭康宏
糟谷祐介 加賀孝志 加藤清隆 古口 基
鹿住 雅 金子恒男 門倉義孝 金田拓海
神谷護流 鎌谷輝裕 菊地 博 北谷明子
日下通博 久後生歩 久保博一 小林 徹
斎藤博久 佐藤昭次 佐藤孝信 城 初
真保千秋 鈴木 茂 鈴木 守 千葉 肇
千葉 等 塚越良美 天六辰年 永遠旅人
永田安親 西村恒雄 20歳プー 花田 勉
原田清実 原岡 望 馬場吉昭 広瀬久展
福村 努 凡骨生 松崎準昭 三角 淳
三好晃司 森田進二 毛内敏雄 大和功二
由良祇毘 吉田清二 和田 登  
白石連太郎 高橋耕之介 長谷川明正  

 

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