詰将棋では駒の動き方を他のモノに喩えることがよくあります。
「鬼ごっこ」や「押し売り」などは詰パラ誌上でもよく見かける言葉のひとつ。
さて、今回の作品はどの駒が、どのような動きをみせてくれるのでしょうか?
(正解手順はこのページのいちばん下)
初手36角は29玉、47角、38歩、同角、39玉、19飛、38玉で逃れます。
合駒に対処するためにも角は成っておいて馬として使わなければなりません。
かといって81角成としてしまうのは正解手順と同様に追って、49玉のときに馬が引けず失敗してしまいます。
正解は63角成。
ここから愉快な馬の移動が始まります。
(正解はこのページのいちばん下)
図で馬の移動経路を示してみました。
この変則的な動き、なるほど言われてみればUFOのように思えてきませんか?
この簡素な初形からこれだけ趣のある馬の動きを引き出せれば、作者にとっても満足のいくところだと思います。
掲示板にて結果発表が行われてましたので、寄せられた短評を再掲します。
風みどり「この掲示板に載せてくださる加藤さんの作品は易(優)しいので嬉しいです。もっと,「詰パラ」も「めいと」も読んでいらっしゃらない方からの感想もあっていいはずなんですけどねぇ。どうしてなんでしょう。私などは世間一般からは詰将棋マニアの恐い人と認識されているかもしれないので書き込みを遠慮した方がいいのかなぁ。この作品など「加藤徹作品」と力を入れて解きはじめたら肩すかしをされてしまいますが,正しく未加入者向け(もっと適切な用語ないですかね)の好作だと思います。この盤と駒でこういう遊び方もできるんだよ。一緒に遊ぼう!という語りが聞こえてきそうです」
田利 廣「ピューンと飛んでった角がピッピッピッと戻ってくる。連動して、飛がポーンポーンポーンと横っ飛び。最後の飛のひと飛びで馬がカタンと音がしておしまい。UFOでも飛んだか。初形もUFO」
すどう「どうやったら王手をかけ続けられるだろう?って考えたら解けました。田利さんの表現は分かりやすくて良いですね〜。流れ星、かと思ったらUFOだったんですね(笑)」
須川卓二「楽しそうな詰将棋にめぐり合いましたので、解いてみました。初手は、遠くまで行くとだめなのですね。収束も決まって理想的な仕上がりです。作品集が見たくなりますね。久しぶりにほのぼのとした作品に出会ったような気がします。詰パラにもこんな詰将棋を発表できる場があれば…と思います」
正解―63角成、29玉、74馬、39玉、37飛、49玉、85馬、59玉、57飛、69玉、96馬、79玉、77飛、89玉、78馬、99玉、98と、同玉、97飛、同玉、87馬まで21手。
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