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今回は詰将棋界の年間最優秀作に与えられる「看寿賞」を2度受賞されている、新ヶ江幸弘氏のかわいすぎる小品をご紹介します。

タイトルの「ミニノコ」。「ミニ」は小さい、という意味ですが、「ノコ」とは何でしょうか? 「ノコ」は「鋸」であり、駒の動き方がまるでノコギリを引いているように、ジグザグなことを喩えて言ったものです。

さて、いったいどの駒が「ノコ」の動きをするのでしょうか?
手数は23手かかりますが、易しい小品だと思います。

(正解はこのページのいちばん下)

初手21香成はこれしかない、とは言え軽い序奏と見るべきでしょう。
21同玉と取って、ここから龍によるちょっとした趣向が始まります。
まずは31飛成。取れば32銀成で詰みなので12玉の一手。
続いて32龍。合駒は23歩成以下簡単なので11玉の一手。
そして41龍。合駒や12玉と逃げるのは21龍とされて早詰。ここで22玉と逃げるのが玉方の精一杯の抵抗ですね。これで歩を入手し、今度は21龍、同玉の形を目指します。

図以下は32龍〜21龍と捨てて、おなじみの収束に突入していきます。

作者「中学生のときの図。投稿はしていないが、22玉に対する32龍の感触が気に入っている(完璧な自己満足)」

簡素な形から23手の中編なみの手数、加えてささやかな妙味の含まれた龍のミニノコ手順は、心地よい解後感をもたらしてくれています。
おっと、盤上の駒が次々と消えていき、最後は3枚のみの詰上り。すなわちミニ煙であることも大いに注目すべきところではないでしょうか?

中学生にして「趣向」との付き合い方を心得ておられたかのような、そんな印象も受けますね。

正解―21香成、同玉、31飛成、12玉、32龍、11玉、41龍、22玉、32龍、11玉、21龍、同玉、32銀、11玉、12歩、同玉、23歩成、11玉、21銀成、同玉、32歩成、11玉、22とまで23手。

 

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