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今回は河村夏尾さんの投稿作品です。

タイトルの「ミニハガシ」。前回に続いて、今回は「ミニ」の「ハガシ」です。ハガシとは玉方の守備駒を少し手数をかけて1枚ずつ取ってしまうことで、守備力を弱めたり、強力な駒を入手して詰め上げることにつながります。

図面を見れば剥がされる駒は一目瞭然ですが、さてどんな手順で収束に向かうのでしょうか?
23手詰です。

(正解はこのページのいちばん下)

初手21銀直生は11玉で打歩詰。
そこで21銀左生、23玉、32銀生、12玉と23歩を消去してみたくなりますが、少し考えればあまり意味のないことに気づくはずです(おまけ)。
いきなりの13銀成は、やや抵抗がありますが、そのあとの手順を読んで正解の手応えを感じることができます。それが、銀生〜歩叩きの連続技で、下段まで玉を落としてから金を奪い取ろうという作戦。

しかし、11手目に12銀成としてしまっては23歩が邪魔で金が打てません。そこで好手が登場します。

この22歩成を同玉と取るのは、12銀成として早く詰むので金で取る一手。これで邪魔だった23歩が消えたので、再度の歩叩きからようやく金を剥がして収束にはいることができます。
趣向的な手順の中にあって、一閃きらめく軽手22歩成が作品全体を引き締めています。

初形も興の湧く駒配置となっており、それがまた正解手順と絶妙なバランスを保っていて、易しいながらも完成度の高い作品だと思います。
作者の方の今後のご活躍が期待されますネ。

正解―13銀成、同玉、22銀生、12玉、13歩、同金、21銀直生、11玉、12歩、同金、22歩成、同金、12歩、同金、同銀成、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、32歩成、11玉、22とまで23手。


おまけ

河村さんの作品をみて、管理人がその紛れ筋を簡潔に表したものです。

易しいので手順は記しません。
この他にも14の駒を角にしてみたりすると、また幅が広がるかもしれません。
このように一つの詰将棋の紛れ筋から新しい詰将棋を作るのも、創作方法の一つですね。

 

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