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       今回は久々登場の加藤徹さんの作品です。 
      まずは図面をご覧ください。双方の玉将が一触即発、至近距離でのにらみ合い。見るからにスリル溢れる展開が想像できますよね? 
        
      攻方の玉が七段目を移動して、飛香による開き王手が予想できますが、途中4筋と7筋の穴でどうやって手を繋ぐかが最大のポイントとなります。金をうまく利用してくださいね。 
        27手詰です。 
       
      初手は27王の一手に、対する玉方も25玉の一手。 
      以下37王、35玉と進めて、ここで勢いあまって47王では44玉と深くもぐられて王手がありません。ここで57金を利用したうまい継続手段があります。 
      初手から、27王、25玉、37王、35玉、46金、44玉、45金、同玉、49飛(次図)。 
	  
      これで4筋の穴が埋まり、攻方の王がここを通過することができるようになります。 
      図以下、35玉、47王、45玉(44玉は56王まで)、57王、55玉、67王、65玉、76金、74玉、75金、同玉、79飛、65玉、77王、75玉、87王、85玉、97王まで27手詰。 
      途中2箇所の49飛と79飛の王手に対して47(77)桂の合駒で逃れているように見えますが、残念ながら三段目にすべての桂馬が使用されており、玉方の持駒に桂はなし。これが成桂配置の意味ですね。 
      玉将による至近距離でのつばぜり合いは、後方からの飛香による援護射撃のおかげで攻方の勝ちに終わりました。 
      ただ単に飛香の開き王手を連ねるだけではなく、4筋と7筋に穴を作っておいて、それをどう塞ぐか考えさせる、ここに加藤さんの腕の冴えが隠されています。
        
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