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今回も加藤徹さんの作品をご紹介します。

敵陣に入った駒の成・不成の選択は、指し将棋・詰将棋に共通して妙手であることが多いようです。
特に詰将棋では「打歩詰」をテーマとした謎解きの色合いの濃い作品が多く作られています。そのいくつかは駒を成らずに玉の包囲を緩めておいて打歩詰を打開する、という手段を利用しており、実戦よりも多くの不成が登場することになります。

さて本作は打歩詰とは関係のない不成モノ。つまり駒の性能を変えないでおくことで王手を掛け続けられるようにするわけです。タイトル=ヒント、のようなもので易しい作ではないでしょうか?
ただし、いくつか注意しなければならない逃げ方があるので、そこはしっかりと読みきってくださいね。
13手詰です。


初手の王手は82銀不成以外になさそうです。72玉と引くのは81銀不成〜72銀成で詰むので62玉と逃げる一手。
ここで両王手をしないと92香と飛車を取られて逆王手になるので、71銀不成と入ります。対して73玉は初形から62歩がなくなっているので62銀不成で詰み、51玉は43桂不成で詰み、71同玉は81香成(次図)、同玉、84飛、92玉、93飛成までの詰み。手順中81香成が発見しにくい好手です。

よって53玉と逃げるのが正解ですが、再び62銀不成と追跡します。52玉と真下に引くのは51銀成があるので42玉、以下どうように、そして執拗に銀不成にて追跡していきます。

正解手順―82銀不成、62玉、71銀不成、53玉、62銀不成、42玉、51銀不成、33玉、42銀不成、22玉、31銀不成、33玉、22銀不成まで13手

手順だけを追ってみると単純そうにみえますが、上記のように逃げる手をうまく限定してあるのが作者のこだわりのあらわれるところ。とくに図での81香成は作品自体に深みを与える絶妙なアクセントになっているのではないでしょうか?

 

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