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大道棋に精通し、フェアリーの大家、そして軽趣向もお手のもの……まさに詰将棋界のマルチタレント??の持ち主、加藤徹さん。 さて、今回はまさにタイトル通り。綺麗に配置された香を軸に、銀が大活躍します。攻方の着手にご注目を! 初手は25銀と上がる一手です。対して13玉と逃げるのは、24銀、14玉、23銀不成、13玉、22飛成、同角、同銀不成、12玉、21角までの簡単な詰み。よって23玉と逃げますが、24銀、34玉と進めて、玉が香筋をまたいでワープ! 以下次々に攻方の香筋をワープしていきます。 初手から25銀、23玉、24銀、34玉、45銀、43玉、44銀、54玉、65銀、63玉、64銀、74玉、85銀、83玉、84銀、92玉(図) 図の直前、84銀に94玉と上に逃げるのは93飛成の1手詰です。 これで右から左まで玉が横断しましたが、今度は復路が待っています。まずは83銀不成。ここを83銀成といくと81玉、72成銀、92玉で失敗です。不成銀ならそこで83香成があるわけです。 図から83銀不成、81玉、72銀不成、同玉、63銀不成、61玉、52銀不成、同玉、43銀不成、41玉、32銀不成、同玉、23銀不成、21玉、12銀不成、32玉、21銀不成まで33手。 最後の最後、勢いで23香成としませんでしたか? 玉方の飛車が隠れた刺客。 4枚の香と4枚の銀で左右の往復、振り返ってみれば攻方の指し手はすべて銀! これが作者の狙いになっています。 楽しい作品を易しく作る、鉄人加藤氏お得意のパフォーマンスでした!
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