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前回に続き、大崎壮太郎さんの登場です。

持駒をご覧いただければ分かるように、後手の持駒制限があります。歩16枚もあるとちょっと気が引けますが、歩合は出てこないので安心してください。

さて、初手42馬と引くと25玉と逃げます。さらに43馬の追撃には34金と合駒されて万事休す。どうやら玉方の龍を何とかしないとダメなようです。収束も含めて、ちょっと難しい問題かもしれません。
33手詰です。



上記のように、初手42馬は詰みません。合駒を防ぐためには、龍の筋を変えればよい……これに気付くのが大きな関門となっています。

初手から15銀、同龍、42馬、33銀(次図)

初手15銀で龍の筋を変えると同時に、上部に玉が逃げれば15馬と龍を取れるようになっています。
そうはさせじと、玉方は図の33銀合を繰り出して必死の防御策を講じます。本作は玉方持駒制限がかかっているので、合駒できるのは金銀歩のいずれか。歩は二歩、金は同龍、25玉、36金があるので銀に決定というわけです。
この銀を同馬と取ると、35玉と抜け出されて玉方の思うツボ。よって同龍と取るしかないのですが、25玉と逃げられてみると初形から主要駒が一段下がった形になっています。ここまでが趣向の1サイクル。

前図から、33同龍、25玉、16銀、同龍、43馬、34銀、同龍、26玉、17銀、同龍、44馬、35銀、同龍、27玉、18銀、同龍、45馬、36銀(次図)

ここで手拍子に同龍と取ると、28玉、46馬、29玉で詰みません。盤の端に追い詰めたところで同馬と取るのが正解です。

図から、36同馬、38玉、29銀、39玉、18馬、38金打、17馬、29玉、39飛、同金右上、18馬、まで33手詰

図からは収束になりますが、29銀と捨てる手、17馬と背伸びする手などがあってちょっと考えさせられる手順になっています。

並べてみれば楽しめる趣向作。解くにはちょっと骨が折れますが、「解いた!」という充実感が味わえるのはいいですよね。

 

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