> サイト一覧 > 読み物 > 詰将棋オモロ講座 / 第3回 〜捨駒@ 大駒捨て〜
 

今月はもっとも基本的な手筋を紹介しましょう。
“捨駒”という手筋(と呼ぶべきかどうか)の中には、大駒捨て、焦点捨駒、退路封鎖等々ありますが、第一回目は“大駒捨て”を取り上げてみます。
「詰将棋は、駒を捨てていけば詰むように出来てるんです」
とは某プロ棋士のお言葉。ではその要領で、第1図をどうぞ。

[第1図]

△白人「捨駒と言ってもいきなり馬を捨てていけば詰むかなァ? マニ夫君、ちょっと教えて」
▲マニ夫「ワシ今日は休みや。お前、勝手に一人でやっとけ」(とトイレに立つ)

【正解】
23金、21玉、32馬、同飛、@22角成、同飛、33桂、31玉、41歩成まで9手詰
@32同金は同玉、33飛、42玉にて不詰(※1)。
また、初手から34桂は13玉、14金、12玉、23金、同飛以下、飛車を清算しても駒が1枚足りません。まずは基本的な作品でした。

なお、第2図にすれば、ちょっとイキな作品に仕上がるかもしれません。

[第2図]

手順は、44角、33飛以下11手詰。
△白人「なるほど、移動合が入るとはね!」
なんだか作り方講座になってしまいましたね。こういった内容は“詰将棋を作ろう”(※2)の柳原裕司氏に譲るとして、では第3図。

[第3図]

△白人「マニ夫君、まだ入ってんの? 早く助けてよ」
▲マニ夫「……」
△白人「難しいんだよ!」
▲マニ夫「やかァしい、今ワシ忙しいんじゃ!」

【正解】
44角、@21玉、12角成、同玉、11角成、同玉、23銀成、21玉、12香成まで9手詰
@33合では13銀成以下詰み。

これもリズムの良い角の連続捨てでしたね。一度打ってから捨てる、というパターンが多いようです。詰上りで大駒が消える方が、何となく消化が良い、解後感が良い、という感想をよく耳にします。

では、どんどん行きましょう。
△白人「今度は解くぞ!」

[第4図]

△白人「よし、解けた! 所要時間5分ちょうど」

【正解】
32飛、同飛、13銀、21玉、33桂生、同飛、22金まで7手詰

飛捨てによって敵飛の位置を変えておいて、桂跳びを有効にする。発見はそう難しくなかったのではないでしょうか。
△白人「やっと解けたぞ! 3分で3級って書いてあるから5分で5級かな」
トイレからマニ夫、おもむろに出て来る。
▲マニ夫「お前どういう計算しとんねん!? あースッとした」
ポケットから紙片を取り出す。
▲マニ夫「こないだ、広島の将棋センターへ行ってきてのう、こんなん出とった。解いてみィ」

[第5図]

※1:本誌掲載時は「52香→54歩」。これだと5手目32同金、同玉、33飛、42玉、34桂、51玉、53飛成以下詰むため、今回修正した。

※2:オモロ講座と同時に連載が始まった「詰将棋を作ろう」。当時編集長の柳原裕司氏が受け持った、詰将棋創作講座。

 

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