> サイト一覧 > 読み物 > 詰将棋オモロ講座 / 第4回 〜捨駒A 退路封鎖〜
 

1ヶ月お休みを頂きましたが、捨駒シリーズの第2回、“退路封鎖”を紹介してみましょう。
▲マニ夫「おい、ちょ、ちょ待てや。3月号の解答どないなってん!?」
そうでしたね。3月号第5図の解答から――

[前回第5図]


【正解】
23角、@42玉、33銀、51玉、41角成、同玉、61飛成、同馬、42金まで9手詰。

△白人「@で同香と取ると、33銀、41玉、61飛成で早く詰むね」
大駒を二枚捨てて気持ち良く詰め上がりますね。

それでは今月のテーマに移りましょう。退路封鎖、つまり逃げ道をなくすための捨駒です。
第1図は、今期の名人戦第一局、終盤の局面。非常に適切なサンプルなので紹介します。

[第1図]

後手米長名人に対し、先手羽生四冠王が“14歩”と打ったところ。1筋からの逃走を防ぐ、まさに“退路封鎖”と言えるのではないでしょうか。
△白人「それで、この後はどうなったの?」
▲マニ夫「12玉といわゆる“米長玉”でかわしたけど、32銀と絡んで羽生の勝ちや」
△白人「ふ〜ん」
▲マニ夫「わしのう、これを参考にしてひとつ作ってみてん」

[第2図]

△白人「14桂、@同飛、32飛、13玉、22銀まで5手詰」
▲マニ夫「アッサリ解かれてしもうたか」
△白人「@で13玉と逃げると、22銀、14玉、15飛まで同手数。どっちが作意か分からないじゃん」
▲マニ夫「そうか、冴えんなァ」
△白人「それは誰かの口グセだったよね」
実戦の中に詰将棋のネタは結構転がっているもので、今回のような例のみならず実際に捨駒の連続で寄せ切ったり、“ナラズ”で打歩詰を避けながら詰みに持っていったりするケースは、時々目にすることがあります。
この名人戦第一局でも、この後の終盤の変化で、またちょっと面白い、“詰将棋”が現われたのをご存知の方も多いかと思います。
さて、退路封鎖の典型的なものをご覧頂きましょう。

[第3図]

△白人「14香を打っちゃうと、どんどん逃げられるなぁ」
▲マニ夫「退路封鎖やて言うとるやろうが!」

【正解】
31角、同金、14香、22玉、12香成まで5手詰。

特に解説するところはないですね。では次を。

[第4図]

▲マニ夫「ようある筋やのう」

【正解】
31角成、12玉、34角、同飛、13銀、23玉、22馬まで7手詰。

3手目、45角とすると同飛と取られて、これでは逃げ道が開いたまま。
このような手筋は、まだたくさんあるはずです。実戦の“待ち駒”からヒントを得ることもあるようですね。

 

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