> サイト一覧 > 読み物 > 詰将棋オモロ講座 / 第5回 〜捨駒B 焦点捨駒〜
 

捨駒の中で、非常に論理的でまたよくあらわれるものに、“焦点捨駒”というものがあります。
強力な二つの守備駒の利きの焦点に駒を捨てれば、どちらか一方の利きが遮断されるというもの。
△白人「なるほど、ロジカルだね」

[第1図]

△白人「これなんか、典型的なその手のヤツじゃない?」

【正解】
32飛、@同角、22金まで3手詰。
@で同飛は23金まで。

▲マニ夫「ちょっとあっけなさすぎるのう」
第1図で、守備駒飛車と角の焦点はどこかといえば、32の地点。ここに飛車を捨てると、強力な守備駒のようでも意外にもろいものです。
この焦点捨てで有名なのは、次の古図式でしょう。

[第2図]

△白人「これ知ってるよ!ぼく」
▲マニ夫「当り前じゃ、誰でも知っとるわ。ちょっと黙っとれ!」
一見、駒の打ち場がなさそうですが、焦点がどこかと考えれば、すぐに分かるはずです。

【正解】
54香、@同馬右、63桂、同馬、43桂まで5手詰
@同馬左なら43桂、同馬、63桂まで。

実戦的初形でしかも左右対称。古典の名作として覚えておいてください。作者不明なのが残念です。
では、例題を。

[第3図]

△白人「34が焦点か」

そうですね。つまり、
【正解】
34角、同飛、23銀、21玉、32銀生、12玉、23飛成まで7手詰。

▲マニ夫「収束が乱れとる。もひとつオモロないな」
今度は、飛車と角を横へずらして作り直してみましょう。

[第4図]

▲マニ夫「ほう、ちょっと考えるのう、これは」

【正解】
24桂、同飛、13金、同桂、32飛成、22合、21銀まで7手詰。

考え方は同様ですね。桂によって飛と角の利きを遮断する。3手目金を頭に捨てるのも、ちょっとしたミソではないでしょうか。
焦点捨駒は、実戦でもけっこうあらわれるようです。また、玉方に発生する同様なものに“中合”がありますが、これは別の機会に解説しましょう。

 

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