ここにこの駒が無ければ、ということがあります。攻方自身の駒が邪魔になって王手がかけられない、詰まないというケースで、邪魔駒はこれだと見破った時点で、もう詰みは見えている。実戦でそんな局面に出くわすと嬉しくなりますね。
では、よくある筋から紹介していきましょう。
[第1図]
▲マニ夫「ワシも似たようなもん、作ったことあるわ!」
【正解】
24飛、32玉、22飛成、同玉、34桂、32玉、22金まで7手詰。
△白人「34飛が無ければ、最初から34桂と打てて3手詰」
次も同様な例。
[第2図]
△白人「何が邪魔駒ってわけ?」
▲マニ夫「龍か銀のどっちかに決まっとるやないかい!」
【正解】
@16龍、A29玉、19龍、同玉、73角、29玉、28角成まで7手詰。
@37角は18玉で逃れ。
A18金合は73角、29玉、18龍以下同手数駒余り。
成れるところから角を打ちたいのですが、龍がその筋の邪魔駒になっていますね。
第1図、第2図は同様な例で、邪魔駒が自ら消えにいきます。
このように、邪魔駒自身が消えにいって原形に戻す作例が一番多いと思いますが……。
▲マニ夫「こんなもんもあるでェ」
[第3図]
△白人「25桂、12玉、13歩で清算してもう一回25桂?」
▲マニ夫「そら詰まんわ」
【正解】
24角、12玉、@13角成、A同玉、14歩、12玉、24桂まで7手詰。
@13歩は同桂、同角成、21玉でわずかに届かない。
A13同桂は24桂、21玉、32龍まで同手数駒余り。
これは第1図、第2図と違って、攻方の邪魔駒を相手に消してもらう一例です。この場合の邪魔駒は12歩で、つまり“14歩”が二歩になってしまうわけです。これが無ければ、持駒桂・歩だけで3手詰。
△白人「オモロい!」
▲マニ夫「お前が関西弁しゃべるな!」
邪魔駒消去の例としては、まだまだ色々あるようで、第4図は昭和39年1月本誌発表の岡田敏氏作。
結構紛れもあるようです。
[第4図]
△白人「分かんないや」
【正解】
15角、23玉、33飛、@14玉、13飛成、同玉、14銀、同玉、33角成まで9手詰。
@33同歩は32銀打、14玉、33角成まで早詰。
これも邪魔駒(33飛)が自ら消える手順ですが、その後14銀の捨駒で原形に戻す(8手目までの局面)というもの。本作のように、一旦打った駒が邪魔駒になるのは、ちょっとした高級な味付けですね。
さて色々と見てまいりましたが、邪魔駒消去作品を大別してみると、
一、自ら消える
二、相手に消してもらう
この2種類になりますか。細かく分類すればもっとあるでしょうが……。
それとも、もっと画期的な手筋が有るや否や?
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