> サイト一覧 > 読み物 > 詰将棋オモロ講座 / 第8回 〜両王手〜
 

詰手筋というわけではありませんが、開き王手、しかも両王手で詰み、という図はよく目にします。
スパッと決まるので解後感も良く、作る側としても何度か手がけた方は多いのではないでしょうか。
第1図は、先手の中飛車急戦から5筋の歩交換をした手に対し、後手がのんびりと84歩と突き出した局面。
まさか実戦でこんな手を指す人もいないでしょう。これは大変ですね。

[第1図]

▲マニ夫「22角成にどう受けるんやろなァ」
△白人「ワザとボケなくてもいいじゃん。33角成で終わり」
そうですね、33角成の両王手で身動きとれません。
実戦の序盤でも、こんな恐ろしい手が現われ得るものなのです。
では、詰将棋ではどうでしょうか?

[第2図]

△白人「13飛は24玉と逃げられてダメか」

【正解】
12飛、24玉、13飛成、同玉、15飛まで5手詰

▲マニ夫「初手飛車打ちは、11でもエエんちゃうか!?」
おっしゃる通りですね。まァ、カタいこと言わずに……。
これが典型的な両王手による詰上りでしょうか。
次も似たようなものを。

[第3図]

【正解】
22飛、33玉、44金、同玉、24飛成まで5手詰

△白人「よく見るパターンだね」
初手33飛や33金は41玉と逃げられます。
また、3手目24金とするのは、飛の成り場所がなくなる仕掛け。
このように、飛と角による両王手が例としては最も多いようですが、他にも色々な組み合せがあります。

[第4図]

▲マニ夫「23銀成がきわどいなァ。25玉と逃げると、24龍、16玉、17歩以下詰んどる」
23銀成は同玉でダメですね。(※1)

【正解】
24金、同玉、25銀打、同龍、33銀生まで5手詰
なお、2手目24同歩は23銀打まで。

本作は、飛と銀による両王手でした。
△白人「小駒図式ではどう? あるのかな?」
第5図がそれです。

[第5図]


▲マニ夫「なるほど、なかなか高級やないか! 邪魔駒消去が入っとる。前々回の講座の応用とは、流石やのう」

【正解】
23金、11玉、12金、同玉、11飛、同玉、23桂生まで7手詰

11銀がなければ、11飛以下の3手詰です。
なお、4手目12同銀は23桂生、21玉、31飛まで。
両王手作品は詰上りの設定の面白さにかかっています。

※1:掲載時は15歩だったため、初手より25銀打、同龍、同銀、同玉、36金!、16玉(同玉は33飛以下)、26飛、17玉、47龍以下の余詰があった。手順中最後の47龍を防ぐため15桂として修正した。

 

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