> サイト一覧 > 読み物 > 詰将棋オモロ講座 / 第10回 〜中合(ちゅうあい)〜
 

[第1図]

簡単に詰みそうな図ですね。
△白人「香を離して打ったら…、何かあるのかな?」
24香とすると、一見、合利かずのようですが、
23歩合!
という応手が玉方に用意されています。これは、23同香生と走っても12玉から逃げられてしまいます。
△白人「なるほど。じゃあこれは詰まない?」
▲マニ夫「これを“中合”て言うんじゃ」
詰将棋の好手・妙手のほとんどは攻方の着手にありますが、玉方にもこのような妙手が多々あります。
▲マニ夫「残り駒は全部持駒として使えるわけやからのう」
さて、第1図は“23歩合”とする中合があって不詰でしたが、持駒に歩を2枚追加したらどうでしょうか?

[第2図]

△白人「これなら詰むよ。24香@23歩合に、22歩、11玉、12歩、同玉、23香成以下!」
▲マニ夫「ふっふっふ、ひっかかったなドシロウトよ。@で23銀合(第3図)いう手があるんじゃ、ドアホッ! 出直して来い!」

[第3図]

△白人「そんな手ありィ!?」
そうですね、23銀合で詰みません。
▲マニ夫「ほな、ここで問題出したろか。この図は歩が何枚あれば詰むやろ?」
△白人「5枚ぐらいかな?」
▲マニ夫「“ぐらい”て何やねん。よく考えィ!」
正解は4枚ですね。

[第4図]

【正解】
24香、23銀合、22歩、11玉、12歩、同銀、21歩成、同銀、12歩、同玉@23香成、11玉、12歩、同銀、22とまで15手。
@で23とでも同手数詰。

△白人「難しい!」
うっかりすると3手か5手で詰みそうな局面ですが、中合でこれだけ生き延びたことになります。
では、応用問題です。

[第5図]

△白人「長そうだね」
▲マニ夫「お前にはちょっと難しすぎるわ」
△白人「あっ分かった! 33銀成、12玉、45角、21玉、32成銀まで」
▲マニ夫「ほらほら、そこでちょっとテーマを思い出さんかい! 45角には34歩合や」

【正解】
33銀成、12玉、45角@34歩合(第6図)、同角、21玉、43角成、12玉、34馬、21玉、22歩、31玉、32成銀、同玉、33馬、31玉、32馬まで17手。
@34桂合は同角、21玉、43角成、12玉、24桂まで。

[第6図]

ちょっと難しかったかもしれませんね。できたら、並べて確認してみて下さい。“中合”は、詰将棋をより一層奥深いものにしています。

 

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