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       [第1図] 
           
      簡単に詰みそうな図ですね。 
        △白人「香を離して打ったら…、何かあるのかな?」 
        24香とすると、一見、合利かずのようですが、 
        23歩合! 
        という応手が玉方に用意されています。これは、23同香生と走っても12玉から逃げられてしまいます。 
        △白人「なるほど。じゃあこれは詰まない?」 
        ▲マニ夫「これを“中合”て言うんじゃ」 
        詰将棋の好手・妙手のほとんどは攻方の着手にありますが、玉方にもこのような妙手が多々あります。 
        ▲マニ夫「残り駒は全部持駒として使えるわけやからのう」 
        さて、第1図は“23歩合”とする中合があって不詰でしたが、持駒に歩を2枚追加したらどうでしょうか? 
      [第2図] 
           
      △白人「これなら詰むよ。24香@23歩合に、22歩、11玉、12歩、同玉、23香成以下!」 
        ▲マニ夫「ふっふっふ、ひっかかったなドシロウトよ。@で23銀合(第3図)いう手があるんじゃ、ドアホッ! 出直して来い!」 
      [第3図] 
           
      △白人「そんな手ありィ!?」 
        そうですね、23銀合で詰みません。 
        ▲マニ夫「ほな、ここで問題出したろか。この図は歩が何枚あれば詰むやろ?」 
        △白人「5枚ぐらいかな?」 
        ▲マニ夫「“ぐらい”て何やねん。よく考えィ!」 
        正解は4枚ですね。 
      [第4図] 
           
      【正解】  
        24香、23銀合、22歩、11玉、12歩、同銀、21歩成、同銀、12歩、同玉@23香成、11玉、12歩、同銀、22とまで15手。 
        @で23とでも同手数詰。 
         
        △白人「難しい!」 
        うっかりすると3手か5手で詰みそうな局面ですが、中合でこれだけ生き延びたことになります。 
        では、応用問題です。 
      [第5図] 
           
      △白人「長そうだね」 
        ▲マニ夫「お前にはちょっと難しすぎるわ」 
        △白人「あっ分かった! 33銀成、12玉、45角、21玉、32成銀まで」 
        ▲マニ夫「ほらほら、そこでちょっとテーマを思い出さんかい! 45角には34歩合や」 
      【正解】 
        33銀成、12玉、45角@34歩合(第6図)、同角、21玉、43角成、12玉、34馬、21玉、22歩、31玉、32成銀、同玉、33馬、31玉、32馬まで17手。 
        @34桂合は同角、21玉、43角成、12玉、24桂まで。 
      [第6図] 
           
      ちょっと難しかったかもしれませんね。できたら、並べて確認してみて下さい。“中合”は、詰将棋をより一層奥深いものにしています。 
        
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