先月号の講座の中で
@動駒率
A消去率
B回転率
という3つの“見方”を紹介しましたが、今月はその中から、Aの消去率のお話をしてみましょう。
△白人「駒がどれだけ消えるかっていうことかな?」
そうですね。最初の使用駒数から詰上りで何枚の駒が減ったか、その割合ですね。
1図(昨年7月号講座)の場合、どうでしょうか。
[第1図]
24角、12玉、13角成、同玉、14歩、12玉、24桂までで2図
[第2図]
この場合、使用駒数は持駒を含めて10枚。詰上り図では8枚ですから、2枚減っていることになります。邪魔駒消去をするための捨駒があったんですね。
△白人「それじゃ、捨駒の多い作品ほど消去率が高いことになる」
そうです。本図の場合は、
消去率:2÷10=20%
となります。
△白人「持駒は当然なくなるわけだから、これは別計算にしたほうがいいんじゃないの?」
▲マニ夫「そんな事、どうでもエエやないか! 要するに、最終的に減った方が気持ちエエっちゅうこっちゃ。消去率の計算なんぞ、オレは興味ないわい!」
△白人「そう言ってしまったら、講座が終わっちゃうじゃない」
一応続けさせて下さい。
3図はどうでしょうか。(昨年11月号講座)
[第3図]
33銀成、12玉、45角、34歩合、同角、21玉、43角成、12玉、34馬、21玉、22歩、31玉、32成銀、同玉、33馬、31玉、32馬までで4図
[第4図]
これは17手の割には捨駒は1回だけで、しかも途中で合駒があって1枚増えてますから…。
▲マニ夫「消去率“0”かい」
という事になりますね。本作の場合捨駒がテーマではありませんから、ある意味で仕方がありませんね。
△白人「じゃ、煙詰なんかはスゴいんじゃない?」
[第5図]
これは9月号煙詰コンクール、浦野真彦の作品(※)(手順省略)。
[第6図]
△白人「詰上り3枚だけだから36/39になる!」
同号掲載の宗岡博之作も同様ですね。
消去率で作品の良し悪しを論じられるはずはありませんが、詰手順を追ってみると軽快感は感じられると思います。
▲マニ夫「どうでもエエこっちゃ」
(※)浦野作は同年度の看寿賞長編賞受賞。ただし、受賞後に余詰が発見される。
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