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第1問:入選16回 川崎市 山村 政 (作品成績は第5問の最後) A13歩成、イ同香、23歩、同桂、B14桂、同香、12飛、21玉、31角成、同金、11飛成、同玉、13香、21玉、12香成まで15手 イ同玉、14香、22玉、23歩、同桂、12飛以下。 A23歩は同桂、13歩成、同玉、14香、同玉で15飛が打てず。 B12飛は21玉、31角成、同金以下逃れ。 ★初手23歩、5手目12飛と手順前後の誘惑が強烈。A・Bで逃れるため、その前に工夫の一手が必要なのだ。 ★5手目の14桂が難しい一手。13にわざわざ穴をあけて利することなど一つもないようにみえる。しかし、後の13香を打つために必要、というわけだ。 作者―私らしい作だと思います。 ★山村さんというと合駒がたっぷり出てくる中編が印象的。本作のように捨駒の綾で魅するのは異色と思うが、とりあえず「実力ある作家は何を作ってもウマイ」ということは間違いない。 かみ「難しかったです。合駒がないとは珍しい。合駒作品も期待しています」 加賀孝志「セマい玉ながらチョッピリ12飛で考えた」 加藤清隆「簡素な初形だが、序に多くの変化手順が存在しているため、見た目より重量感がある」 詰原松子「あれこれ駒を動かしてやっと初手が分かった好作」 金子恒男「前半の形を作る手順が実に旨い。香打ちを作る桂捨てが本作の命」 五茂須光「21飛が見えたばっかりに12飛に苦戦。24桂を見せられて14桂に大苦戦」 ★初手21飛も有力な着手。以下同玉、31角成、同金以下逃れ。 高橋耕之介「12飛捨てが、その前の香をつり上げる14桂と合せて、まことに巧妙な手です」 今川健一「伏線として桂を打つのは、短編には入れがたい妙手」 今泉京華「4手進めば易しいが、そこまでの変化がうるさくててこずる」 佐藤昭次「初手香打を考えてしまい仲々詰まなかった」 小林徹「やっと気付きました。こんな所に桂を使うのですか」 ★小林さんをもってしてこの感想。 真保千秋「飛び道具の乾いた感触」 青山良秀「収束は良くある形だが、23歩から考え始め入りを手間取った」 天津包子「24香から入るのかと思った」 梅本拓男「5手目14桂がうまい手でよく練られている」 白石連太郎「手筋ものと片付けたくない好作。適度な紛れと適度な変化、作意も理想的で満足のいく仕上がり」 ★変化が難しいだけではダメ。それを上回る作意がなければ解答者を満足させられませんね。 武内洋介「作意では最後まで開き王手が無いが、常に開き王手の紛れがあり、詰めにくい」 明石顕治「14桂が難しかった」 流「2手目同玉で12飛とぶちこむ筋に微妙に惚れました。14桂と穴をあけるのがうまい」 ★今回誤解者が最も多かった作品(といっても4名ですが)。その中に某解答超強豪氏が……。
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