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さて、まずは次の詰将棋をご覧ください。

7手詰、とはいっても変化も紛れもない「詰む将棋」です。

正解は98飛、85玉、84と、同玉、94と、85玉、95とまで7手。

ね、何の変哲もないでしょう?
けれども詰将棋の楽しさは、この「断片」から始まってしまうのです。
その答えが次の図面にあります。
上の手順を参考にして考えてみてください。

(正解はこのページのいちばん下)

いかがですか?
上の7手詰がみごとに貼り合わせられて、8手ひとかたまりの手順を4回繰り返せば逃げ場がなくなって詰みとなります(このように同じような手順を繰り返すことを「趣向」と呼びます)。
ちょうど継ぎ目にあたる76玉、56玉、36玉に対する飛車の王手が、まるでもぐらたたきのように思えませんか?

掲示板にて結果発表が行われてましたので、それを再掲します。

田利 廣「夏。花火の季節ですね。ほの明かりの夜空いっぱいに開いた「しだれ柳」と見ました。余計な飾りも無し。 Simple is the best.」

すどう「 「しだれ柳」とは言い得て妙!ですね。原理図ともとれますが、発展させるのも難しそう。初心者でも楽しめる趣向小品、というのがぴったり!?」

丸電ユキオ「プレゼントのお話とこの初形につられて、つい挑戦してみました(笑)。長編イコール難解 のイメージを払拭してくれるうれしい作品でした。小説にしろ音楽にしろ「小品」と呼ばれるものって、私、好きなんですがぴったりあてはまりますね。まさに「おもちゃ箱」の中にありそうな楽しさがあってよかったです」


冨永晴彦「思ったより、簡単に解けました。しかし加藤さんの作品は、作意順を読む時間に対し、変化を追う時間が数倍かかりますね。次の出題も、楽しみに待ってます」

手数は31手なので長い部類に入りますが、将棋をかじったことのある方でしたら誰でも解け、そして楽しさを充分に理解してもらえる詰将棋だと思います。

これが「易しい趣向作」なのです。

さて、この作品と同じ理屈の問題を「おまけ」に載せておきますので、こちらもお楽しみください。

正解―98飛、85玉、84と、同玉、94と、85玉、95と、76玉、78飛、65玉、64と、同玉、74と、65玉、75と、56玉、58飛、45玉、44と、同玉、54と、45玉、55と、36玉、38飛、25玉、24と、同玉、34と、25玉、35とまで31手。

 

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