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初登場となる「いのてつ」さんの作品をご紹介しましょう。 「ハガシ」とは玉方の駒を一枚ずつ奪い取っていくものです。最後には守り駒がなくなってしまったり、強い駒の入手に成功したり……そうすることで局面に変化が出てくるわけですね。詳しくは第9話「ミニハガシ」ごご覧ください。 初手は25飛と打つ一手。対する14玉に飛車をヨコに動かすか、タテに動かすか……。 手数は長いですが、一つの駒をはがすのにちょうど12手。はがされる駒が複数あるので、あとはその繰り返しとなります。 初手から飛車を打つ一手に14玉。とりあえず銀を取る26飛に対して、15玉なら25飛、14玉、15銀まで簡単に詰んでしまいます。 大駒は近付けて受けよ、ここは玉方の妙防が飛び出します。 初手から25飛、14玉、26飛、25桂!、 歩の合駒は二歩のため不可。また他の合駒なら、15銀、同玉、25飛、14玉の瞬間に取った駒を打って詰みとなります。この時、桂馬なら26桂と打てないため、桂合い限定となっているわけ。桂合いを25同角と取っては、15玉で全然手が出ません。 図以下15銀、同玉、25飛、14玉、24飛、15玉、27桂、同成銀、25飛、14玉、27飛、25桂、 これらの手順はほとんど紛れることはないでしょう。 上の図と下の図を見比べてください。27に利いていた銀の数が1枚減っていますよね? このようにして銀を次々とはがしていくのがこの作品の狙いというわけです。 図以下15銀、同玉、25飛、14玉、24飛、15玉、27桂、同銀成、25飛、14玉、27飛、25桂、15銀、同玉、25飛、14玉、24飛、15玉、27桂、同銀成、25飛、14玉、27飛、25桂、 手順中、27桂を取る銀の種類は非限定です。成銀を最後にしてももちろん可。 以下15銀、同玉、25飛、14玉、24飛、15玉、27桂まで47手。 本作の場合、銀1枚はがすのに必要な手数は12手。3枚はがすので12×3=36手。これに序奏と収束が11手加わっています。 作者「『乱』の角の配置をみて思いつきました」 『乱』とは、昨年度看寿賞受賞作の一つで、複雑怪奇超難解作です。これを見て別作を作ろうと思うこと自体がすごいですね(^^ゞ 本作、初形にもムリがなく、しかも程よい難度に軽快な手順。作者であるいのてつさんの詰将棋を作る腕は確かなものとみました。今後もぜひ楽しい作品をお作りになってください(^-^)
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